日本の鉄鋼業は早くから石油系エネルギーの削減、廃熱回収、操業技術改善などに取り組み、世界最高水準の省エネル ギー生産体制を確立して地球温暖化対策に貢献してきました。こうした活動のガイドラインとなったのは社団法人日本鉄鋼 連盟が中心となりまとめた自主行動計画で、当社はこれに沿った設備や操業の改善、技術の開発を推し進めて着実に成果 を上げています。
● 省エネルギー対策への重点 投資
当社は、
1995
年度から2011
年度まで の17
年間で、累計102
億円を省エネル ギー対策(CO
2排出量削減)に投入してい ます。この投資は、主にリジェネバーナー(燃焼排ガス熱回収バーナー)の導入や 燃料転換に充当され、加熱炉や均熱炉に おける廃熱回収を推し進めるとともに
CO
2排出量の削減に効果を上げるなど、地球温暖化防止に貢献しています。
● 二酸化炭素( CO
2)排出量と原単位削減への 取り組み
当社は、
2008
年度から2012
年度までの5
年間で、CO
2の平 均排出量10%
(1990
年度実績比)削減を目標としています。2006
年度にはCO
2排出量削減のための特別プロジェクトを立ち二酸化炭素(
CO
2)排出量と原単位の推移上げ、廃熱回収の強化、燃料転換の推進などの施策に着手しま した。
2011
年度は都市ガスへの燃料転換を積極的に推進し、排 出量は1990
年度比でマイナス19%
と、大幅に減少しました。(千トン-CO2/年) (kg-CO2/生産量)
99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 08 –12
目標 98
97 96 90
800
600
400
200
0 0
500 1,000 1,500 2,000
CO2排出量 CO2原単位 714
1,404
1,291 706
1,314 690
1,041 919
10 11 1,125 1,138 733 748
702 701
1,264 675
*電力のCO2排出係数:0.374kg-CO2/kWh
–6
%–26
%–10
%CO2
排出量 累計投資額
CO2
原単位
省エネルギー対策累計投資額(
1995
年以降)(億円)
(年度)
(年度)
–8
%–35
%–20
%–19
% 10075
50
25
0 95 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
R E S P O N S I B I L I T Y F O R E N V I R O N M E N T
環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
運輸面での CO
2排出削減
地球温暖化対策として、運輸部門の
CO
2排出削減も課題になっています。重工業には重量物の運輸が不可分なので、当 社はサプライチェーンと協力してモーダルシフト、それをサポートする施設の改善、また、CO
2排出量の削減に寄与する物 流効率化を推進して、環境への貢献に努力を注いでいます。●モーダルシフト
当社の運輸面での
CO
2排出原単位は、2005
年度比3.6%
減 少しています。これは当社が進めてきたモーダルシフト*
の成果 です。CO
2排出原単位はトラックを使用した場合に対し船舶では78%
、鉄道では87%
も削減され、モーダルシフトがきわめて有 効であることを裏づけています。当社では現在、雨天でも船舶による鋼材出荷ができる全天候 バースを活用して、自社製品の
30%
を効率の高い船舶輸送で出 荷しています。また、輸送品質・積載効率を兼備えた専用無蓋コ ンテナを製作し、2003
年に名古屋地区の工場から新潟県の倉庫 向け鋼材輸送(1.5
万t
/年)を、2006
年には同工場から秋田地 区向け(1
万t
/年)および新潟地区向け(2.8
万t
/年)をトレー ラーから鉄道輸送に全面転換しました。今後もトラック輸送から船舶・鉄道へのモーダルシフトをより 積極的に推進していきます。
* 自動車や航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替すること。省エネ効果、CO2
排出削減効果などがある。
運輸部門の
CO
2排出量と原単位輸送機関別の
CO
2排出量比較鉄道による輸送
(トン)
(g-CO2/トンキロ)
(kg-CO2/トンキロ)
CO2
排出量
CO2
排出原単位
–78
%–87
%(年度)
CO2排出原単位 CO2排出量
●エコドライブの実施
トラック輸送では、右記のようなきめ細かなエコドライブを徹 底し、人と環境に優しい安全・低エミッション運転を徹底させるよ う努めています。
列車・トラックに共有可能な鋼材専用無蓋コンテナ
エコドライブ
1.
スピードの抑制:100km
/h
→80km
/h
で20%
燃費削減2.
急発進・加速をしない:20%
以上の燃費削減3.
エンジンブレーキやエキゾーストブレーキを使用した惰力 走行の推奨:燃料消費を抑える4.
早めのシフトアップ・遅めのシフトダウン:15%
の燃費削減5.
加速・減速の繰り返しを控える:燃費削減6.
タイヤ空気圧のこまめな点検:規定値より20%
低いと8%
燃費悪化7.
アイドリングストップ09 10 11 07 08
06 05 04
122.5 121.4 120.1 100,000
80,000 60,000 40,000 20,000 0
150 120 90 60 30 0 59,655 59,938 59,032 59,724
48,660 37,915
48,599 45,834 117.6 118.4 118.1 118.0117.0
鉄道 榖
トラック
23 200
160 120 80 40 0
175
39
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
各工場での取り組み
当社では各工場単位でも環境負荷低減への取り組みを行っています。工場における主な活動は以下のとおりです。
●渋川工場
【燃料転換】
当社では
SOx
やNOx
の低減を図るた め、1995
年に川崎工場(現川崎テクノセ ンター)で重油を廃止して以降、重油から 天然ガスを主成分とした都市ガスへの燃 料転換を進めてきました。現在は、省エ ネ技術と組み合せ、より高いCO
2排出量 削減効果を得るために、燃料転換を加速 しています。
2006
年には星崎工場においても重油 を廃止、知多工場においては2009
年に 重 油 使 用 比 を2004
年 実 績45%
から21%
にまで低減し、CO
2排出量を8%
削 減しました。また、これまで都市ガスが未導入で あった渋川工場においても
2010
年度に 製鋼工場の、2011
年度末までには鍛造 工場重油炉の都市ガス化を計画してお り、2012
年度以降の渋川工場における 重油使用を全廃止することで、CO
2排出 量6%
以上の削減を図っていきます。【廃熱回収強化】
製鋼工程での燃料使用設備には、取鍋
(とりなべ=溶鋼を運搬する容器)を予熱す るバーナーおよび真空処理で使用する蒸 気を発生させるボイラー設備があります。
今回、
2010
年度の製鋼工場の都市ガ ス化とともに、取鍋予熱装置1
基およびボ イラーを廃熱回収式に改造することで2009
年度対比2010
年度で製鋼工場に おけるCO
2排出量を16%
削減しました。今後も
2011
年度末に都市ガス化を実 施する鍛造工場において、大型加熱炉1
基をリジェネバーナー方式に改造するこ とで更なるCO
2排出量削減を推進してい きます。渋川工場の都市ガス化にともなう
CO
2排出削減計画CO2排出削減量(トン-CO2/月)
(年/月)
製鋼工場都市ガス化にともなう
CO2排出削減量(2011年1月実施) 渋川工場において6.3%の CO2排出量削減を実施
リジェネ式取鍋予熱装置
12/3 12/2 12/1 11/12 11/11 11/10 11/9 11/8 11/4〜7 1,500
1,000
500
0
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
●知多工場
当社では、重油と比較して供給および 価格が安定しており、燃焼時の
CO
2排出 量のより少ない都市ガスへの燃料転換 を順次進めてきました。特に2011
年度 には、大規模な投資を行い、CO
2排出 量削減、省エネルギー、コスト削減に取 り組んでまいりました。【燃料転換の推進】
2011
年度は、No.2-CC-1
号加熱炉お よび線材圧延加熱炉の燃料転換を実施 しました。その計画は独立行政法人新エ ネ ル ギ ー・産 業 技 術 総 合 開 発 機 構(
NEDO
)「エネルギー使用合理化事業支 援補助金」の対象と認められ、投資金額 の3
分の1
の支援を受け燃料転換工事を 行いました。計画どおり効果が発揮されれば、
CO
2排出量を
35%
削減することが見込まれ ます。【燃料転換による地震・防災対策】
この重油から都市ガスへの燃料転換に より、地震時の津波発生時に大きな被害 が懸念されていた大型の重油タンク
2
基 を廃止することができ、地震・防災対策 にも貢献することができました。980kLタンク 4000kLタンク
線材圧延加熱炉
No.2CC-1号加熱炉
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策